2013年09月13日

一教運動その2

今回は、前回ブログ記事の『基本は、やっぱり一教運動』の続きです。
一教運動では、正中線前面から見て、真っ直ぐに振り上げ、真っ直ぐに
振り下ろします。合気道は剣の動きを体現した武道です。
関連ブログ記事:三教の腕・合気道は剣術を体術で表現した武道

例1:横面打ちでは、受けが真っ直ぐに振り上げ、斜めに振り下ろし
ます。しかし、取りは、真っ直ぐに振り上げ、真っ直ぐに振り下ろします。
一教運動です。振り下ろしを斜めに行ってはいけません。

お恥ずかしい話ですが、初級者の頃は、取りも斜めに振り下ろすものと
暫く勘違いしておりました。

例2:入り身投げ(巻き込みタイプ)でも、取りが受けの腕を支えながら
真っ直ぐに振り上げ、真っ直ぐに振り下ろします。脇が開いて、斜めに
振り上げれば、受けから反撃の隙を見せてしまうのでNGということは、
前回記事でも記しました。

動きに体捌きが加わることによって、振り上げ・振り下ろしを斜めの軌跡
を描くだけで、取りの立場では、真っ直ぐに打っているのです。

停止している人からみると斜めの軌跡ですが、取り本人から見ると、
体捌きの動きは関係無く、振り上げ振り下ろしが直線的な軌跡で
行われているという認識です。

なんだか話が、物理学の相対性理論のようになってしまいました。
関連ブログ記事:無の境地とは その5・物理学と宗教や哲学との関係

横面打ちの場合、取りの打ち込みが体捌き(転身)によって、結果
斜めの軌跡を描いている為、斜めに打っているように周囲からは見える
わけです。下図をご参照ください。

横面打ちの軌跡

腕の動きと連動して、体捌きの動きが加わります。
腕の動きだけを注目してしまうと、体捌きが疎かになりがちです。
そうなると、腕に力が入ってしまいます。
合気道の稽古では、体捌きが重要です。


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2013年09月06日

基本は、やっぱり一教運動

合気道では、拳や掌底、手刀による当身を、崩しのきっかけ
として行うことが多いです。空手や日本拳法などのように、打撃による
身体への直接的ダメージを与えることを目的としてはいません。
この点が他の武道と合気道の違いの一つでしょう。

余談ですが、バスケットボールでパスやドリブル、シュートを行う前に、
目の前の対戦相手に対して、フェイントをかけるのと似ています。
フェイント・・・こっちへ行こうと見せかけて、反対方向へ動くなど
相手を騙すテクニックです。

肩取り二教や回転投げに入る前、相手に当身を入れて牽制する
とき、拳または掌底の開始する位置はどこでしょう?
何だかクイズようになりましたが、わーい(嬉しい顔) 答えは、お腹の真ん前です。

脇を開いて、拳(又は掌底)を横方向から繰り出してはいけません。
お腹の真ん前付近から繰り出すことによって、相手に悟られない
ようにするのです(下図参照)。

肩取り二教での当身1 肩取り二教での当身2

これは、いったいどういう事か?
お腹の真ん前・・・つまり正中線前で繰り出すことは、一教運動と一緒
です。急に当身を繰り出すように見せる訳です。脇が開く(脇があまく
なる)ということは、座りの呼吸法でも同じですが、相手から反撃を受け
やすくなるということです。

脇が開いていないことが、相手を制するときに重要になります。
正中線は合気道に限らず、他の武道でも重要な要素です。
関連記事:正中線 ☆一教運動については下図参照

一教運動

合気道の一教運動・・・一教のときや当身の牽制だけではありません。
立ち技呼吸法の斬り上げ動作、後ろ両手取りで両手首を取られた直後
の斬り上げ動作、入り身投げの巻き込みタイプで、巻き込むときの腕の
斬り上げ動作(下図)etc 合気道の殆どの動作で基本となっています。

巻き込みの入り身投げ
▲絵が上手くないので、ラリアットのような腕の形をしていますが、
横方向もしくは、斜め方向からのラリアットみたいな動きではダメ
です。お腹の真ん前から一教運動の如く振り上げ、入り身しながら
巻き込みます。

と、先日の稽古で、出来なさ加減を指摘されながらも、学びました。
いつものことですが、偉そうに聞こえましたら、ごめんなさい。
備忘録ですので、大目に見てやってください。わーい(嬉しい顔)

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2013年09月01日

昇級昇段審査について思うこと

もう、9月です。北海道は8月中旬のお盆を過ぎた頃から
涼しくなってきました。北海道の夏は短いです。

生き生きと木々や花々が色づく春から、太陽の光が強い
夏にかけては、明るく活気のあるイメージがあります。
しかし、秋から冬にかけては、『枯葉→寒い』という淋しい
イメージがあるのは、私だけでしょうか?
日が暮れるのが早くなる』ということも影響しているのかも
知れませんね。

さて、合気道でも他の武道同様に昇級昇段審査があります。
合気道の場合、殆どの流派が試合を行わず型稽古のみなので
審査も受けと仕手(取り)を行う型による審査です。

合気会の合気道では、大人は五級から、子供は十級から級が
始まります。私の道場では、中学生以上から大人と同じ扱いで、
五級から始まり、小学生以下が子供扱いです。しかし、他の
合気道道場によっては、中学生までが子供扱いの道場もあるよう
です。

よく、『昇級昇段審査は規定の稽古日数を満たしていれば
受験することが可能』ということを耳にします。
その通りです。第一条件として、規定の稽古日数があります。

しかし、稽古日数だけクリアしていても、技術が伴わなければ
合格は難しいです。反対に、技術がクリアしていても、稽古日数
が規定に達していなければ、受験することはできません。

ネット上の合気道関連の掲示板で、『規定日数に達していれば、
審査を受けられるから、昇級昇段できる』という文面をよく見かけます。

これは、安易な考え方だと思います。
やはり、技術が未熟なのに受験しても合格はできません。

私が通う道場は、技術レベルが受験する級や段に達していれば、
稽古生から受験したいという申告が無くても、指導員の方から、
お声がかかります。もちろん、稽古日数が達していての話です。

皆さんの道場も、私が通っている道場のように、指導員から
受験推薦者へお声がけする場合が多いのではないでしょうか?

合格レベルの稽古生に、受験してもらう』という考え方になります。
反対に、『まだ合格レベルには、ちょっと・・・』という稽古生には
お声がかからないということです。

人によっては、「指導員からの声を待っているのではなく、
自分で自信があるのなら『受けさせてください』と言えば良いし、
反対に指導員から声がかかっても、自分のレベルに満足がいかない
なら、辞退したら良い」という考え方もあるようです。

ただ、そうおっしゃる人の中には、自身の考えに責任を持てず、
他人にお伺いを立て、結果を他人のせいにするような行動や言動
に腹が立つようです。

私自身のことに関して言えば、客観的な意見を参考にした上で
判断しているのであり、決して他人のせいにしている訳では無い
のですけどね。実際は、どうも誤解されることが多いようです。

横道に、それました。合気道審査の話に戻りますが、私としては
客観的な評価を参考にして受験するか判断しています。
指導員からの客観的な評価を参考に最終的に、ご自身で決断される
分には、間違っていないと思います。

指導員より『今回の審査、受けて見ては』と話があれば、ほぼ
受けます。反対に自分から『受験を考えているのですけど?』と
過去に1回だけ申請したことがありました。3級審査のときでした。

同じ頃に始めた人が、受けることに決まったので、では我々も・・・
という感覚で、同じ頃に始めた私ともう一人が、その他の一人に
続いて審査受験を申請したのでした。でも結局、指導員から『まだ
早いよ』と言われ諦めざるを得なかったのでした。
内心は、『どうして、同じ頃に始めた彼が受験するのに、我々は
ダメなんだ・・・??』と思いました。

彼の方が技術面で、我々よりも秀でていたかは?ですが、
指導員からお声が掛からなかったのは、残念だけど未だ技術レベルが
低くかったということです。

今考えると、あの時、焦って受けなくて良かったなと思います。
人より昇級昇段が早い・遅いはあるでしょう。
合気道だけではありません。覚えが早い人・遅い人、個人によって
差があります。これはどうしようもありません。
同期入会した人に後れをとることは、あるかも知れません。

週二回、三回真面目に通っていても、上達しなければ、昇級昇段は
できません。私自身、運動神経も良くないほうだし、物事を習得する
早さもトロい方だし、仕方ないなぁと思っています。もうやだ〜(悲しい顔)

同期入会者に後れを取りたくない』という競争心、切磋琢磨すると
言う意味では、持っていて間違いではないです。しかし、あまりにも
拘り過ぎると、ストレスが溜まりますし、負の感情が湧いてくるので
精神衛生上悪いです。

皆さんも、同じようなことがあるかも知れません。
同期入会者に後れをとることがあるかも知れません。
後れを取ったって良いではありませんか?

結局、自分の周りで、先へどんどん進んでいった人たち
(早く昇級昇段した人達)は皆、それぞれの事情で合気道をやめて
道場から去っていきました。

マイペースで良いと思います。
プロを目指している訳ではないのですから。

合気道の稽古は、昇級昇段が目的ではないです。
他人より昇級昇段が早い遅いで競争心を持つことも
合気道らしくないと感じるところです。

関連ブログ記事:
競争して優劣を決めることは良いことか?
謙虚さも大切だが、自信を持つ事も大切


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