2014年09月13日

説得する難しさ

今回は合気道の話題から少し外れますが、昨年こんな事があった
のを憶えております。地下鉄の車両の中での出来事です。

母親と子供、母親の友人と思われる女性の3人が私の向かいの席に
座っておりました。

子供は2歳くらいの小さな子。座席の上で足をバタつかせ、時々
土足のまま足を座席の上に乗せておりました。

電車の座席は、大勢の人が腰かける場所です。
見るに見かね、母親と思われる女性に子供を注意してくれるよう
やんわりと申し出ました。「すみません、お子さん、土足で足を
乗せているので注意してもらえませんか」と話しかけました。

無視されたため、「聞いてますか?」と、もう一度話しかけました。
すると「うるさいわね!あんたに言われる筋合いはないでしょ!ちっ(怒った顔)
とヒステリックに逆切れされてしまいました。ふらふら

少しびっくりはしましたが、これ以上言っても拉致が開かないと思い、
かつ既に終着駅へ到着したため、その場は諦めて退散しました。もうやだ〜(悲しい顔)

これ以上言うと益々怒らせるし、相手が女性であるから暴力沙汰に
発展しないにせよ、口論に発展することは然りです。

相手の立場に立って考えると、やはり赤の他人に注意されて面白く
なかったのでしょう。

注意したつもりは無くやんわりと言ったつもりですが、相手にしてみれば
他人のアンタが偉そうにお説教するな』と言ったところでしょう。

他人に誤りを正してほしい』とお願いするのは、非常に難しさを
感じます。わかってもらう、説得する難しさです。

人は様々な価値観や考え方、感じ方、性格が異なります。
同じことを言っても、捉え方は様々です。

やんわりと言っても、要らぬお説教と捉える人もいれば、
素直に聞き入れてくれる人もいるでしょう。

冗談にしても同じです。『面白い!』とウケてくれる人もいれば
ふざけないでくれ!』と怒り出す人もいます。

伝える相手を考える事も含めて、話題の選択や伝え方の工夫が必要だ
ということを痛感しました。

話の良し悪しは、自分が決めるものではないのですね。
相手が決めるもの。つまらないか、面白いか、あるいは、要らぬお説教
か、有り難いご指摘か、決めるのは相手の気持ち次第です。

勘違いしやすいのは、自分が感動したから、相手も感動するだろうと
思うこと。『良かれ』と思って焼いた世話が、余計なお世話に成ることも
あります。

つい、相手のせいにしてしまいがちですが、聞いてくれない相手が悪い
のではなく、伝え方を間違った自分を先ず反省しなければなりません。

そして先日、再び似たような場面に出くわしました。
今度は、母子二人でしたが、小さな男の子が土足を直接座席に乗せて
いましたので、どう伝えたら母親を怒らせないで、納得してもらえるか
暫し考えました。

そこで考えたのが、次の行動でした。
母親に訴えるのではなく、小さなお子さんに、ニコニコしながら
土足の靴底を座席からそっと離し、小声で「ダメだよ」と、一言
言って聞かせました。しかも立ったまま上から目線ではなく、
しゃがんで、子供と同じ目線で話かけました。

そして、母親には無言ですが笑顔で、お辞儀をして電車を降りました。
(そのとき目的地に着きました)

お辞儀をした時、お母さんもニッコリ頭を下げてくれました。
電車を降りる背後で、お母さんがお子さんに「たくさんの人が乗る
座席だからね、靴のまま上がったら汚れるからね」と優しく言い
聞かせているのが聞こえました。

子供にしてみれば、見知らぬオジサンに足を動かされ、
』だったかも知れません。

でも今回は大成功です。お母さんに納得してもらえました。わーい(嬉しい顔)

まだ、右も左もわからない子供を叱るのは当然のことNG、
お母さんに注意することもNGです。

今回は、相手の目線で行動したのが良かったのかも知れません。
あと笑顔ですね。最後にお母さんに頭を下げたことも成功した要因の
ひとつかも知れません。笑顔の中にも内心『出過ぎたことをして
すみません
』という気持ちが伝わったのでしょう。

上から目線の物言いではなく、『頭を低く遠慮がちに』という態度が
相手に差し障りのない気持ちで納得してもらえたのだと思います。

ただ、たまたま優しい性格のお母さんだったから、上手くいった
のかも知れません。先のヒステリックに怒ったお母さんだと、
同じようにいくかは確証できないですね。

性格以外にも、たまたまイライラしていたとか、直前の状況に
よっても変わってくるかと思います。

でも、似たような場面で説得できたことは、一歩前進したと
自負しています。

合気道でも同じだと思いました。受けの柔らかさ、身体の柔軟性、
身長、腕の長さ、体格、色々な人がいるから、技の良し悪しも変化して
くるのだと・・・。

しかし相手のせいにしてはいけない。自分が相手に合わせる努力、
あるいは相手を強制的に(強引に)自分へ合わせようとするのでは
なく、無理なく誘い合わせる工夫が必要ということでしょうか。

とても難しい事ですが、合気道の稽古をしていく中で、どんな人でも
同じように技を繰り出せることが究極の目標ですね。

関連ブログ記事:
受けと取りは、相手の気持ちを理解するための訓練
話術の合気道、恐るべし店長!
他人に優しく自分に厳しく


読んでいただき、ありがとうございます。

合気道ブログで日々の稽古を考える。

紹介:札幌で合気道するときは・・・札幌合気道会について
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2014年09月08日

第二回北海道 伝承武道演武会 見学

8月31日(日)先週の日曜日ですが、古武道・現代武道の様々な流派の演武会が行われました。会場は野幌森林公園内 北海道開拓の村の、旧札幌師範学校武道場でした。

今回は第二回ですが、第一回は、一昨年の10月に古武道演武会として行われました。『古武道演武会』と言う名前でしたが現代武道の合気道(我が札幌合気道会会長が演武)や大東流合気武道も演武に参加しました。今回の第二回では、合気道や大東流合気柔術の他、剣道や薙刀(なぎなた)、柔道も参加しておりました。

日本の古武道は剣術と柔術に大きく分かれますが、剣術は武器を使った武術、柔術は武器を持たない武術(体術)です。剣術の他に、十手術、槍術、杖術、手裏剣等の小具足術などの武器術があり、遠い昔、戦国時代から続くサムライの合戦術を元に体系づけられたものです。

合戦では最初、槍や刀で格闘していて、刃が切れなくなったところで、徒手格闘に至り、柔術が体系づけられたものと思われます。または、武器を素手で奪ったり捌いたりするところから、合気道に存在する武器取りのような技術も体系づけられていったのでしょう。

元はサムライの合戦術、生きるか死ぬかの真剣勝負です。演武は試合(死合)ではありませんが、生きるか死ぬかの真剣勝負を、演じるものです。真剣な気合いが静寂な空気に響き渡っておりました。

出場流派は以下のとおりです。( )内は団体名
・夢想神伝流居合(北海道剣道連盟居合道部)
・全日本なぎなたの形(北海道なぎなた連盟)
・一角流十手術(神道夢想流杖術「北杖会」)
・大東流合気柔術(北見合気武道会)
・小野派一刀流中西派 五行之形
(小野派一刀流中西派五行之形 札幌有志の会)
・甲源一刀流剣術(北海道甲源会)
・日本傳講道館柔道(札幌柔道連盟)
・日本剣道形(江別剣道連盟)
・無外流居合兵道(北海道無外会)
・合気道(札幌合気道会)
・神道夢想流杖術(神道夢想流杖術「北杖会」)

演武会パンフレット

中でも、柔道の演武は圧巻でした。源流が天神真楊流柔術と起倒流柔術で、蹴りや突き等の当身があるのは知っておりましたが、杖や短刀等の武器取りもあるのですね。座技があるのも知りませんでした。合気道のような膝行ではありませんが、膝を着いた状態での逆関節技や絞め技があるようです。

勿論、投げ技もあります。その昔は柔道も柔術でしたから、関節を極めての投げ技もあるのです。小手返しは、どの体術武道にもみられる技ですが、柔道にも型として残っているようです。肘固めも共通する技ですね。柔道の演武でも行われておりました。

合気道では、我が札幌合気道会の会長(七段)と指導員(四段)の二組が演武を行いました。デジカメで演武の最初から動画を録画していたら、合気道の演武が始まる直前で電池切れとなり、残念ながら合気道の演武は録画出来ませんでした。もうやだ〜(悲しい顔)肝心な合気道が・・・まぁいっか。合気道の演武はいつも見ているから・・・と自分に言い聞かせました(気休め?)。所詮デジカメ・・・フル充電しても2時間がいいところ。もう少し計画的になろう・・・。最後の杖術も圧巻だったのになぁ・・・惜しい事をしました。

我々が稽古している合気道の演武では、大東流合気柔術の方々が録画していたのが印象的でした。もちろん、私や他のメンバー(札幌合気道会会員)も大東流合気柔術の演武を録画させて頂きました。お互いに似ている武道ですから、興味があるということなのでしょう。大東流の方が源流ですけどね。

命がけで技を集積してきた各流派の開祖・流祖には感謝です。歴史を感じた一日でした。型武道である合気道をこれからも学んでいこうとあらためて思った次第です。


読んでいただき、ありがとうございます。

合気道ブログで日々の稽古を考える。

紹介:札幌で合気道するときは・・・札幌合気道会について
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