2015年04月28日

正面打ちについての考察

再び、合気道の話題に戻ります。

前回の『足捌き』シリーズである『精度の高い体捌きを目指す1
の続編『精度の高い体捌きを目指す2』は、もう少しお待ちください。
準備はしているのですが、画像を作成中でございまして、もう少し
時間を要します。

『足捌き』は合気道にとって物凄く重要」と最近特に強く思っている
ところであります。

今回は、合気道での当身のひとつ『正面打ち』についてです。
剣術での正眼の構えから真っ直ぐに振り下ろす姿と同じ。
合気道は剣を持たない素手の剣術と考えても良いでしょう。

正面打ちは、お腹の真ん前から(正中線上で)振り上げ振り下ろします。
半身の姿勢から、相手に正対して打ち込みます。

ありがちなのが、身体を相手に対して斜めに向けて打ち込む状況が
たびたび見受けられます。『どうぞ投げてください』と言わんばかり
です(笑)。赤ちゃん打ちな正面打ちも同様です。

下は斜めに体を向けて打っている図
正面打ち(悪い例:相手に対して斜め)


下は正対して打っている正しい姿の図
正面打ち(良い例:相手に対して正対)


下は赤ちゃん打ちな正面打ち
赤ちゃん打ちな正面打ち


関連ブログ記事:合気道での有りがちな失敗

先日、私の正面打ちの打ち込みがいい加減であることが判明しました。
まぁ、今に始まったことではないのでしょうけど。ふらふら

無意識に遠慮しちゃっているんですよね。
格闘技じゃないのだから思いっきり打つべきではない』という考え方が
無意識の内に働き、邪魔しているのでしょうか。
当然、女性に対しては気をつけねばなりませんが、
男性相手でも、誰に対しても、遠慮していることが判りました。

私が正面打ちを打ったとき、その方がわざと横へ避けて、どこまで
振り下ろしているか、チェックされたのです。

案の定、私の正面打ちは、オデコ付近で止まっており、打つべき高さ
まで振り下ろしきっていませんでした(恥ずかしい・・・ふらふら

相手を自分のお腹の高さまで、真っ直ぐにスパッと、真っ二つに
斬り込むつもりで打たなくてはいけない
(下図参照)。

正面打ちの打ち下ろし高さ


相手が正面打ちに対して『打ち込みが甘い、思いっきり打って来て良し
と言えば、躊躇せず打つほうが失礼に当たらないのです。逆に遠慮する
ほうが、『真剣さが足りない』と捉えられ、失礼に値します。

そう言われるということは、こちらに対しても、相手はガッツリ遠慮せずに
重たい正面打ちを打ってくれるわけで、『ひぇ〜』などと恐れ慄い
(おののい)ている場合ではない(苦笑)。むしろ感謝すべきである。がく〜(落胆した顔)

正面打ち一教のときよりも、正面打ち入り身投げで痛い思いをして
しまう。以前よりは、真っ直ぐに入り身が出来るようになり、オデコ
に直撃を受けたのは、油断していた最初の1回のみ。腕の振り上げ
方式で、ガードも出来るようになってきた。

※正面打ち入り身投げで、道主が行っている手刀によるガードは、強い
  打ち込みに対しては、弱過ぎて負けてしまいます(自分の場合)。
  これはあくまでも自分の場合ですが、手刀よりも腕の振り上げ式の
  ガードのほうが、防御できています。しかし指導員の一人は、盛んに
  振り上げ式は初心者のやり方だからと、手刀式を奨めています。
  技術があれば、手刀式でも防御ができるのかも知れませんが。

※手刀によるガード:正面打ちで真っ直ぐ入り身するとき、相手の肘を
  手の甲で受けて体の転回と共に手首を反転させて、今度は手の平側
  で引き続き肘を制していくやり方。

打ち込みに対するガードや入り身が真っ直ぐできるようになったことは、
有段者たる者、当たり前。出来ていて当然のことです。

お蔭様で、緊張感ある真剣な稽古が出来たと思います。
普段、如何に気の緩んだ稽古をしてきたか、痛感させられた次第です。

その方によって、普段の稽古で正面打ちが、如何にいい加減な
甘っちょろい打ち方をしてきたか、身を持って教えて頂きました。

但し、女性に対しても同じ感覚で打ち込みを行うと、重く強い打ち込み
になることが予想されます。

女性に対しては、強くないけれど、正確にお腹の高さまで斬り込む
つもりの感覚で打つように心掛けなければならない。

同じ男性でも、バトルのような打ち合いを嫌う人もいるはず。
合気道はバトル(戦い)ではないのは分かっているけど。

男性でも特に年配者は、ゆっくりと稽古をしたい人も多いはずです。
そういう人にも激しい稽古を求めるのは良くないと思うところ。

※自分に関しては、相手の望む稽古に合せるように意識改革して
  います。激しく・厳しく・ガッツリと稽古したい人にも、反対に
  ゆっくり緩やかに稽古したい人にも、臨機応変に合せられるよう
  にすること、できるようにしていくこと自体がまた稽古かな と。
  それぞれの合気道、それぞれの稽古、人によって違ってくるか?

※逆に、相手のペースに巻き込まれないようにすることも、また稽古?
  自分を見失い、制御できなくなることは、避けたいところ。

お腹の高さまで斬り込むように、ゆっくり打つって、どんな感覚だ?
(笑)。強く打つだけが、技術ではない。繊細に制御することも技術。
合気道だけではなく、他の様々な技術でも同じ。

緩く打とうとすると、遠慮がちに、振り下ろしが足りなくなる・・・
かといって、しっかり打とうとすると、強く打ってしまう。
こちらを立てれば、あちらが立たなくなる』というジレンマに陥る。

これは今後の課題でもあります。

関連ブログ記事:合気道の稽古で、手加減することは失礼なことか?


読んでいただき、ありがとうございます。

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合気道ブログ|稽古日記 posted by Aiki_Master at 23:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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