2015年05月30日

四つの体捌きの内のひとつ : 内転換

今回は、合気道の基本、「四つの体捌き」のうちの
内転換」についてです。

前回ブログ記事:
四つの体捌きの内の三つ : 外入り身・内入り身・外転換
の続編です。


(1)内転換の概要 --------------------------------------------------
単純に「転換」というと、外転換を示します。
外転換の場合は軸足を支点に体(たい)を開きますが、
内転換は、逆に移行先へ向かって閉じるような体捌き
になります(へぇ〜!転換って一種類だけではないんだ!)。

  内転換
内転換2

※内転換・・・体(たい)を閉じる形態の転換
※外転換・・・体(たい)を開く  形態の転換

内転換は、集結収束)・・・力を集めるイメージ、
外転換は、解放発散)・・・力を解放する(受け流す)イメージ
と表現すると分かりやすいのではないでしょうか?わーい(嬉しい顔)


(2)内転換は内側に巻き込む体捌き ---------------------------------
転換は転換でも、内転換という捌き方、どうやらこれは
巻き込みタイプの入り身投げのときに、受けの表(内)側で、
円く弧を描きながら、収束するような、あの捌き方の
ことのようです(これも最近になって知りましたふらふら)。

体(たい)を閉じる』と言っても、最終的には半身に成ります。
収束するような動きをするので、『閉じる』という表現を使っています。

確かに受けを誘うときの外転換は、力を解放する感じで、内転換の
巻き込み型の入り身投げは、内転換で力を集めて、最後の入り身で
一気に力を与える感じがします。

内転換の円弧のR(直径)をどんどん大きくしていくと、
天地投げの天だけで投げるように、直行的な入り身になります。

う〜ん、この片手取りで行う内転換の体捌きは、
今まで天地投げの「」だけで投げる
入り身の体捌きだとばかり思っていました。

これは、『合気道を始めてからの大変な思い込み・その3』かな?ふらふら

関連ブログ記事:
合気道を始めた頃の大変な思い込み
合気道を始めた頃の大変な思い込み(その2)& 始めた動機

私以外にも、入り身だと勘違いしている人、結構いるのでは
ないでしょうか?

まぁしかし、内転換は、「力を集める」という点では、
入り身に近いと言えるでしょう。巻き込み型の入り身投げや相半身
の小手返し(表側から捌くタイプ)は、内転換の後、最終的に入り身の
体捌きに移行しますからね。運足としては、直行的に入り身をして、
最後に転回足で180度向きが変わる移行の仕方と結果的には同じ
です。違いは、直行的に動くのではなく、円く動くという点にあります。
円く捌くので、転換の一種とされているのでしょう。

天地投げは、『」の内転換』と『」( ≒ 隅落とし)の外入り身
が合成され、天地投げ全体では「≒外入り身の体捌き」となるのでは
ないでしょうか?


(3)手捌きにおける注意点 ------------------------------------------
足捌きを円く、手捌き(腕の動き)も円く連動させるのですが、
藤田昌武師範が、手捌きで一つ注意点を述べていました。

手捌きは、天地投げの「」もしくは、座技呼吸法のときの
左右へ円く捌く技法と同じですが、『受けの腕が肘のところで
折れ曲がっては、ダメ
』とのことです。

折れ曲がると、相手に力を感じさせ、抵抗されやすくなるから
でしょうか。前々回の記事で紹介した海外遠征での動画にて
確認できます(再び掲載します)。

該当の発言箇所は、0:58付近から開始です。
これダメ』と言っているところです。
※動画開始後、動画へマウスポインターを合わせないと秒数が表示されません。

動画引用元 : Facebook 【 Aikido Masatake Fujita Sensei 】
         2015年4月07日に投稿された動画です。

Masatake Fujita Sensei, 1995#aikido #shihan #fujita #masatakefujita #martialarts #aikikai #sensei

Posted by Aikido Masatake Fujita Sensei on 2015年4月7日

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念のために図解も掲載しておきます(下図)。

天の形の良い例と悪い例

自分の腕も肘から折れ曲がってはダメ、受けの腕も同様に。
双方の腕を円相状に保ち、円く動かすということなんですね。

逆半身片手取りで行う内転換の捌きは、どちらにせよ、
天地投げに通じる体捌きであることは明確です(動画での説明)。

以上、合気道の四つの捌きの内、残り一つ『内転換』についてでした。


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2015年05月29日

四つの体捌きの内の三つ: 外入り身・内入り身・外転換

前回ブログ記事:
精度の高い体捌きを目指す4(四つの体捌き)』の続編です。

前回では、合気道の稽古の基本となっている「四つの体捌き
について、概要を記しました。

今回は、「四つの体捌き」のうちの三つについて、詳細を記して
おきます。外入り身内入り身外転換についてです。


1.外入り身 --------------------------------------------------
外入り身
    ▲【外入り身】
取りは@で送り足、Aで歩み足で入り身
通常、体捌きの稽古としては、@の送り足までで良い。
投げに入る場合はAの歩み足で、さらに崩すことになる。


外入り身2

外入り身は、隅落としの元になる体捌きですね。
最初は、隅落としの捌きだったのですが、いつの間にか、
内回転投げの体捌きに入れ替わった経緯があるようです。
入り身一足だけでは、単純過ぎてつまらないから?
殆どの合気道会の稽古では、内回転投げの捌きを取り入れて
いるかと思います。

内回転投げの捌き

内回転投げの足捌きは、厳密に言うと、「入り身+転回足」なので、
入り身だけの素の体捌きではありません。

下の動画は、四つの体捌きを行っている藤田昌武師範の動画ですが、
外入り身で、内回転投げの捌きを行っています(開始25秒〜)。

Masatake Fujita Shihan In Action


合気道は、細かい点で「こうでなくてはならない」という教科書的な
決まりきったところが無い為、ある意味自由度が広いというか、
途中、師範の考え方で変更される流動的な部分もあるのかと
考えられます。


2.内入り身 --------------------------------------------------
内入り身
       ▲【内入り身】
取りは・・・@とAで受けの内側を緩いカーブを描くように歩み足で入り身。
受けは・・・
@自身の内側へ折れ曲がるように崩れ、
A当身を喰らいたくないのと、反撃の機会を狙うため、取りに付いて行く。
  ただ、漫然と崩されるのではなく、この位置から四方投げの返し技が
  出来るか否か、確認できるくらいの武道的心構えを持つことが肝要。


内入り身2


3.外転換 --------------------------------------------------
単純に「転換」と呼ばれている体捌きです。
軸足を支点に回転する体捌きですが、体(たい)を開きます。
角度は180度で捌くことが最も多いですが、場合によっては
90度まで捌くこともあります。先に入り身を伴うことは、既に
述べました通りです。
※90度まで捌く場合も、終了時は半身に成ります。
  体捌きは、半身で始まり半身で終わる。

外転換外転換2
--------------------------------------------------


もうひとつの体捌きである「内転換」については、次回ブログ記事
にて記します。


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2015年05月28日

精度の高い体捌きを目指す4(四つの体捌き)

今回も前回ブログ記事の続編です。

前回ブログ記事:
精度の高い体捌きを目指す3(相半身と逆半身)

体捌き(足捌き)は、合気道技の土台(基礎)です。
自分自身、今一度見直しをしているため、このような
体捌きシリーズのブログ記事を書き記しております。

その昔、故 藤田昌武師範が、植芝盛平合気道開祖に、
転換は、入り身して転換で良いですか』と尋ねられたそうです。
合気道開祖は『それで良い』と答えられたそうです。

関連ブログ記事:
精度の高い体捌きを目指す2(転換は入り身+転換)

そして、藤田昌武師範が稽古中、開祖の体捌きを見て、合気道の
体捌きは、4つに分類できるという法則を見つけられました。

所謂、『四つの体捌き』と呼ばれているものです。


(1)表(内)と裏(外) --------------------------------------------------
まず、受けの相対する面を以下のように、表現しています。
・受けの前面:『』(おもて)または、『』(うち)
・受けの背面:『』(うら)  または、『』(そと)

以下は、表(内)・裏(外)の説明および、内転換・外転換を
説明している藤田昌武師範の動画です(海外遠征)。
※内転換や外転換については、後程、詳しく述べます。

動画引用元 : Facebook 【 Aikido Masatake Fujita Sensei 】
         2015年4月07日に投稿された動画です。

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Posted by Aikido Masatake Fujita Sensei on 2015年4月7日

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(2)四つの体捌き --------------------------------------------------
藤田昌武師範は、受けの表面(内側)、裏面(外側)にそれぞれ行う
入り身や転換を下記のように4つの体捌きとして分類されました。
逆半身片手取りで稽古します。

外入り身:受けの外側(裏側)へ入り身
内入り身:受けの内側(表側)へ入り身
外転換 :受けの外側(裏側)へ外転換
内転換 :受けの内側(表側)へ内転換

合気道における四つの体捌き
       ▲それぞれの体捌きは、受けと平行に並ぶ位置取りをする。
         ただし、内転換の場合、受けの背後の位置まで捌くことが多い。


【発展する具体的な技】
・外入り身:隅落とし、天地投げ etc
・内入り身:片手取り四方投げ(表)、天秤投げ etc
・外転換 :片手取り四方投げ(裏)、各種小手返し etc
・内転換 :天地投げの「天」の手側の片手のみで投げる技
       表側からの相半身交叉取り小手返し、
       巻き込み型入り身投げ etc
※片手取りに限定せず、交叉取りの技も含まれています。

以下は、四つの体捌きを行っている藤田昌武師範の動画です。
2007年度の全日本合気道演武大会での演武です。

Fujita Sensei, Tokyo May 2007


外転換   (開始41秒〜)
内転換   (開始52秒〜)
内入り身 (開始1分2秒〜)
外入り身 (開始1分12秒〜)

※藤田師範の「内入り身」は、一教運動の加わっていることが
  見てとれます。上段へ手を上げています。我が道場では、
  外転換と同じように、中段へ手を持っていくように
  稽古しています。この点については、合気道会によって
  稽古方法が異なるかと思います。どちらでも構わないと
  思います。中段から技を繰り出す場合もあり、上段だと
  そこから掛ける技に限定されるでしょう。

関連ブログ記事 : 基本は、やっぱり一教運動

殆どの合気道会では、実施する順番を以下のように
稽古しているところが多いのではないでしょうか?

@内入り身 A外転換
B外入り身(内回転投げの捌き) C内転換

なぜ、内入り身と外転換を揃えてセットで稽古するのか・・・
それは、体捌きの稽古の後、片手取り四方投げの表と裏を
セットで稽古することが多いからでしょう。

大抵の合気道会で、合気会審査要項にある五級〜四級の
技を重点的に稽古の前半部分で行うことが多いのでは
ないでしょうか。

片手取り四方投げを最初のほうで稽古するのは、これが
理由かと思います。

五級審査技の四方投げ入り身投げ一教座技呼吸法は、
合気道の基本となる技です。これらが出来て、他の中級技、
応用技が出来るようになっていくとのこと。実によく考えて
構成されています。

☆四つの体捌きのそれぞれについての詳細は、次回ブログ記事
  にて記します。


(3)表技と裏技の定義 --------------------------------------------------
そして、表技・裏技の呼び方に、受けに対しての表・裏という
解釈の仕方もあるんですね。
(合気道始めてから今まで知らなかった・・・恥ずかしい?)

受けの表側(内側)に捌いて行う合気道技を、表技(おもてわざ)、
受けの裏側(外側)に捌いて行う合気道技を、裏技(うらわざ)と
呼称する、解釈の仕方。

うーん、四つの体捌きを知るまで、上記のことは知らなかった。😵

裏技の『』の意味は、表が上手くいかなかった場合のリカバリの技
という意味でしか、認識していませんでした。
合気道始めたばかりの初心者のとき、リカバリ的な意味で
裏技が考案されていると、教えられた記憶しかない・・・。😵

リカバリとしての裏技について関連記事:
合気道の技の名称・関節の極め方の名称

※上記ブログ記事の(3)大東流合気柔術での呼称 のところで表技が
  上手くいかなかった場合に裏、それも上手くいかなかったら裏のまた裏・・・の
  旨の内容を記しています。



読んでいただき、ありがとうございます。

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