「内転換」についてです。
前回ブログ記事:
『四つの体捌きの内の三つ : 外入り身・内入り身・外転換』
の続編です。
(1)内転換の概要 --------------------------------------------------
単純に「転換」というと、外転換を示します。
外転換の場合は軸足を支点に体(たい)を開きますが、
内転換は、逆に移行先へ向かって閉じるような体捌き
になります(へぇ〜!転換って一種類だけではないんだ!)。
※内転換・・・体(たい)を閉じる形態の転換
※外転換・・・体(たい)を開く 形態の転換
内転換は、集結(収束)・・・力を集めるイメージ、
外転換は、解放(発散)・・・力を解放する(受け流す)イメージ
と表現すると分かりやすいのではないでしょうか?
(2)内転換は内側に巻き込む体捌き ---------------------------------
転換は転換でも、内転換という捌き方、どうやらこれは
巻き込みタイプの入り身投げのときに、受けの表(内)側で、
円く弧を描きながら、収束するような、あの捌き方の
ことのようです(これも最近になって知りました)。
『体(たい)を閉じる』と言っても、最終的には半身に成ります。
収束するような動きをするので、『閉じる』という表現を使っています。
確かに受けを誘うときの外転換は、力を解放する感じで、内転換の
巻き込み型の入り身投げは、内転換で力を集めて、最後の入り身で
一気に力を与える感じがします。
内転換の円弧のR(直径)をどんどん大きくしていくと、
天地投げの天だけで投げるように、直行的な入り身になります。
う〜ん、この片手取りで行う内転換の体捌きは、
今まで天地投げの「天」だけで投げる
入り身の体捌きだとばかり思っていました。
これは、『合気道を始めてからの大変な思い込み・その3』かな?
関連ブログ記事:
合気道を始めた頃の大変な思い込み
合気道を始めた頃の大変な思い込み(その2)& 始めた動機
私以外にも、入り身だと勘違いしている人、結構いるのでは
ないでしょうか?
まぁしかし、内転換は、「力を集める」という点では、
入り身に近いと言えるでしょう。巻き込み型の入り身投げや相半身
の小手返し(表側から捌くタイプ)は、内転換の後、最終的に入り身の
体捌きに移行しますからね。運足としては、直行的に入り身をして、
最後に転回足で180度向きが変わる移行の仕方と結果的には同じ
です。違いは、直行的に動くのではなく、円く動くという点にあります。
円く捌くので、転換の一種とされているのでしょう。
天地投げは、『「天」の内転換』と『「地」( ≒ 隅落とし)の外入り身』
が合成され、天地投げ全体では「≒外入り身の体捌き」となるのでは
ないでしょうか?
(3)手捌きにおける注意点 ------------------------------------------
足捌きを円く、手捌き(腕の動き)も円く連動させるのですが、
藤田昌武師範が、手捌きで一つ注意点を述べていました。
手捌きは、天地投げの「天」もしくは、座技呼吸法のときの
左右へ円く捌く技法と同じですが、『受けの腕が肘のところで
折れ曲がっては、ダメ』とのことです。
折れ曲がると、相手に力を感じさせ、抵抗されやすくなるから
でしょうか。前々回の記事で紹介した海外遠征での動画にて
確認できます(再び掲載します)。
該当の発言箇所は、0:58付近から開始です。
『これダメ』と言っているところです。
※動画開始後、動画へマウスポインターを合わせないと秒数が表示されません。
動画引用元 : Facebook 【 Aikido Masatake Fujita Sensei 】
2015年4月07日に投稿された動画です。
Masatake Fujita Sensei, 1995#aikido #shihan #fujita #masatakefujita #martialarts #aikikai #sensei
Posted by Aikido Masatake Fujita Sensei on 2015年4月7日
上記は、Facebookのアカウントをお持ちでないと、
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念のために図解も掲載しておきます(下図)。
自分の腕も肘から折れ曲がってはダメ、受けの腕も同様に。
双方の腕を円相状に保ち、円く動かすということなんですね。
逆半身片手取りで行う内転換の捌きは、どちらにせよ、
天地投げに通じる体捌きであることは明確です(動画での説明)。
以上、合気道の四つの捌きの内、残り一つ『内転換』についてでした。
読んでいただき、ありがとうございます。
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