「痛くする」のとは、意味合いが違います。
「脱力してはいるけど、しっかりと体捌きを利用して、相手の動きも
利用して全身を有効に使い、思い切って技をかける」という意味です。
別の言い方で、「無駄なく、強力に技をかける」というニュアンスです。
文章で表現するのは、非常に難しいですね。
私も技術ある指導員に、立技呼吸法で、強力に投げ飛ばされた時
二〜三日軽い鞭打ちのような状況になったことがあります。
当時、「受身がまだまだなんだな」と嘆いたものでした。
その指導員に直接聞いた訳ではありませんので、断言できません
が、良い意味で捉えると『「キツく投げても、受身が取れるだろう」と
信用されていた』という都合の良い?解釈ができます。悪い意味で
捉えると、憎まれていたのでしょうか?(笑)
女性と稽古する時は、男性と稽古するときよりも、正直、気を使う事
が多いです。女性にもよりますが、気を抜いて少しでも雑に技をかけて
しまうと、痛がられることもあります。かなり痛みに敏感な女性もいます。
特に、肘や手首を痛めた経験のある女性ですと、そのような傾向
が多いようです。そういう女性に対しては、特に敏感にセンサーを、
働かせるかの如く、ゆっくりとかつ丁寧に慎重に技をかけることにして
います。
皆さんは、どんな相手でも手加減することは、失礼なことだと
思いますか?
私が、合気道を始めて1年くらいの頃、「手加減するのは失礼だ」
という意見を持った女性がひとりいました。彼女は体捌きが素晴らしく、
全身を有効に使って投げている為、男性である私に対してもかなり
パワフルな投げでした。「細身の身体の何処にそんなパワーが
あるんだ」と思ったものでした。
しかし、その女性は、白帯女性に対しても、「手加減は失礼だ」と
考えているらしく、同じように強力に投げていたようです。
その為、当時の白帯女性からは、かなり不評でした。
私は、手加減する事も稽古の内だと考えています。手加減、即ち
コントロールすることも、技量を上げるひとつでは、ないでしょうか?
「繊細な感覚、非常にゆっくりで、気を使う動き方や投げ方も、訓練
の内じゃないのかな」と、合気道を何年かやって、思う様になりました。
関連ブログ記事 → 合気道は痛くしないのが理想
ただし、女性だからと言って、いい加減な打ち込みは、失礼だと思い
ます。例えば、正面打ちを真っ直ぐ打たず、額に当たらないような打ち
方ではダメです。「打つ」と言っても、強く打つ必要はなく、正確に打つ
ということです。
他の武道では、どうなのかよく分りませんが、少なくても合気道では
相手の技量や性別、年齢などを念頭において、稽古することも
必要なのではないか と思っています。
これは、私の意見です。皆さんはどうお考えでしょうか?合気道
に対する考えも十人十色ですから、他にも多様なご意見があるかも
知れません。私なりの意見をここに書き留めておきました。
ちなみに、『女の子は大事にしろ』 という合気道開祖のエピソードが
あったようですね。晩年の開祖は、稽古で女性を少しでも乱暴に扱うよう
な場面を見ると激しく叱責したそうです。だからという訳ではありません
が、気を使うことは必要なことなのだと思います。
読んでいただき、ありがとうございます。
合気道ブログ|稽古日記 日々の稽古を考える。
紹介:札幌で合気道するときは・・・札幌合気道会について