に記しておきます。腕の円相と、撫でることの重要性について。
いつも、お話していますが、これは私が合気道の稽古で教わった事を
備忘録的に纏めておくのが目的ですので、多少個人的見解も含まれる
可能性があることを、ご承知おきください。
結論から。ポイントは二本立て。
●腕の円相は、適度な緊張と緩みを表します。
●撫でる動作は、力を感じ難くさせます。
合気道の腕の状態や動かし方も、円相が基本です。腕を曲げ過ぎ
ず、伸ばし過ぎず、適度な円弧(円相)を保つ事が重要です。下の挿絵
は、腕の円相を表します。全ての技に共通します。
関連ブログ記事 : 円月殺法
腕の円相は、腕を突っ張り過ぎず(=緊張し過ぎず)、曲げ過ぎず
(=緩み過ぎず)ということです。
これは合気道の技や稽古について全てに共通することです。
ガチガチに緊張しても固くて柔軟性に欠けます。反対にダラーンと
たるみ(緩み)過ぎても、力が伝わり難くなり、弊害が出ます。
腕の円相は、腕を斬り上げたり(振りかぶる)、斬り下げる(振り
下ろす)動作だけが、対象では、ありません。
入り身投げのときに、入り身後、後方から相手を崩すときにも
腕の状態が適度な円相になっていることが必要です。
下の絵は、入り身後の腕の円相を表しています。適度な腕の円相
は、適度な間合いから成り立っています。
間合いが近すぎると、腕は曲がり過ぎ、撫でるような崩し方が難しく
なります。反対に間合いが遠過ぎると、腕が突っ張り、無理に引っ張る
状態となり、やはり撫でるような崩し方は、難しくなります。
また、入り身後の崩しは両肩を撫でるようにして、相手を後ろ隅に
崩すことがポイントです。または、崩す側は肩ではなく、肘を撫で下ろす
ように崩す方法もあります。
隅に崩す側は、肩を撫で崩すか、肘を撫で崩すかの二通りの手法が
あるということですね。
崩す側の手の位置が肩と肘、二通りあるという事が、重要なことでは
なく、『撫で下ろす』ということが、今回重要なポイントです。
力を伝えるとき、真っ直ぐにダイレクトに(直接)伝えると、相手に力
を感じさせ、容易に抵抗されます。
『撫で下ろす』ように動かす(円相状に力を伝える)と、相手に力を
感じさせ難くなります。力のベクトルを微妙に変えながら、崩す と
いうことです。
下の絵は、端っこを撫でるようにして、力を伝えると、容易に崩れる
ということを表現しています。これは、合気道の技全てに共通します。
以下具体例
●一教の表 : 斬り下ろすとき、円相状に撫でるように、手刀を動かす。
(関連ブログ記事 : 力の方向を変える(2)正面打ち一教の場合)
●立技呼吸法 : 相手を撫でる様に斬り上げ、撫でる様に斬り下げる。
(関連ブログ記事 : 力の方向を変える(3)立技呼吸法の場合)
●突きの入り身投げで、直線的に入り身して、相手のオデコを撫でる様
に、小突く(又は手刀で斬り上げ・斬り下げる)。
・・・養神館合気道の塩田剛三先生の動画で、相手の顎を掌底で突き
上げる動作は、これに該当します。
言葉で表現すると分り難いかも知れませんが、要するに『相手を
騙す』ということです。円相状に『撫でる』ことによって、力を感じ難く
させます。
いつもの言葉、『言うは易し、行うは難し』です。これを100%完璧
にこなせれば、達人の域ではないでしょうか? 精進しましょう!
読んでいただき、ありがとうございます。
合気道ブログで日々の稽古を考える。
紹介:札幌で合気道するときは・・・札幌合気道会について