2013年03月01日

腕の円相と、撫でる動作の重要性

  本日は久々に、合気道の技のカテゴリに関するお話を。忘れないうち
に記しておきます。腕の円相と、撫でることの重要性について。

  いつも、お話していますが、これは私が合気道の稽古で教わった事を
備忘録的に纏めておくのが目的ですので、多少個人的見解も含まれる
可能性があることを、ご承知おきください。


結論から。ポイントは二本立て。

腕の円相は、適度な緊張と緩みを表します。

撫でる動作は、力を感じ難くさせます。


  合気道の腕の状態や動かし方も、円相が基本です。腕を曲げ過ぎ
ず、伸ばし過ぎず、適度な円弧(円相)を保つ事が重要です。下の挿絵
は、腕の円相を表します。全ての技に共通します。


腕は弓矢や刀剣の如くの図


関連ブログ記事 : 円月殺法


  腕の円相は、腕を突っ張り過ぎず(=緊張し過ぎず)曲げ過ぎず
(=緩み過ぎず)ということです。

これは合気道の技や稽古について全てに共通することです。

  ガチガチに緊張しても固くて柔軟性に欠けます。反対にダラーンと
たるみ(緩み)過ぎても、力が伝わり難くなり、弊害が出ます。

  腕の円相は、腕を斬り上げたり(振りかぶる)、斬り下げる(振り
下ろす)動作だけが、対象では、ありません。

  入り身投げのときに、入り身後、後方から相手を崩すときにも
腕の状態が適度な円相になっていることが必要です。

  下の絵は、入り身後の腕の円相を表しています。適度な腕の円相
は、適度な間合いから成り立っています

  間合いが近すぎると、腕は曲がり過ぎ、撫でるような崩し方が難しく
なります。反対に間合いが遠過ぎると、腕が突っ張り、無理に引っ張る
状態となり、やはり撫でるような崩し方は、難しくなります。


入り身後の崩しのポイント


  また、入り身後の崩しは両肩を撫でるようにして、相手を後ろ隅に
崩すことがポイントです。または、崩す側は肩ではなく、肘を撫で下ろす
ように崩す方法もあります。

  隅に崩す側は、肩を撫で崩すか、肘を撫で崩すかの二通りの手法が
あるということですね。

  崩す側の手の位置が肩と肘、二通りあるという事が、重要なことでは
なく、『撫で下ろす』ということが、今回重要なポイントです。

  力を伝えるとき、真っ直ぐにダイレクトに(直接)伝えると、相手に力
を感じさせ、容易に抵抗されます。

  『撫で下ろす』ように動かす(円相状に力を伝える)と、相手に力を
感じさせ難くなります。力のベクトルを微妙に変えながら、崩す と
いうことです。

  下の絵は、端っこを撫でるようにして、力を伝えると、容易に崩れる
ということを表現しています。これは、合気道の技全てに共通します。


円く撫でるように押す


以下具体例

●一教の表 : 斬り下ろすとき、円相状に撫でるように、手刀を動かす。
 (関連ブログ記事 : 力の方向を変える(2)正面打ち一教の場合

●立技呼吸法 : 相手を撫でる様に斬り上げ、撫でる様に斬り下げる。 
 (関連ブログ記事 : 力の方向を変える(3)立技呼吸法の場合

●突きの入り身投げで、直線的に入り身して、相手のオデコを撫でる様
 に、小突く(又は手刀で斬り上げ・斬り下げる)。
 ・・・養神館合気道の塩田剛三先生の動画で、相手の顎を掌底で突き
    上げる動作は、これに該当します。


  言葉で表現すると分り難いかも知れませんが、要するに『相手を
騙す』ということです。円相状に『撫でる』ことによって、力を感じ難く
させます。

  いつもの言葉、『言うは易し、行うは難し』です。ふらふらこれを100%完璧
にこなせれば、達人の域ではないでしょうか? 精進しましょう!わーい(嬉しい顔)


読んでいただき、ありがとうございます。

合気道ブログで日々の稽古を考える。

紹介:札幌で合気道するときは・・・札幌合気道会について
合気道ブログ|稽古日記 posted by Aiki_Master at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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