2014年11月03日

体捌きのみの稽古

先日、とある他所の会の道場へ出稽古へ行って参りました。

その会は住所とは離れた場所にある道場なので、合宿のような形で、泊りがけで稽古させていただきました。道場の先生曰く、『如何に崩れているかが重要。投げは、あくまでもその結果起こる事象』と、お話されておりました。体捌きや間合い、正中線上に力をまとめる等の重要性を説いておりました。合気道の基本です。

また、固定法でガッチリ掴まれた状態からの稽古を行いました。流れの稽古を否定しているわけではないのですが、固定法で基本の稽古をせずに応用的な流れの稽古を行う事は、いい加減な技となる可能性が高いのです。正に岩間で開祖が合気道を指導されていた頃のお話と同じです。

※岩間流合気道では入門してから1年間くらいは武器技と固い稽古(固定法)しか、させてもらえないのです。有名な言葉に、『流れの稽古は参段から』という開祖のお言葉があるくらいです。

※反対に、心身統一合氣道(氣の研究会)は、流れの稽古がメインの流派です。固い稽古は実用的ではないというのが理由のようです。『掴ませてから技をかける様では遅い』というのが考え方のようです。鍛錬法として固定法を取り入れている岩間流合気道とは対照的です。

関連ブログ記事:技法や稽古法の三態

合宿先は岩間流の道場ではありません。合気会登録の道場です。私的には、『基本は固い稽古から』という先生の考え方には、大いに賛成しております。

今回の稽古では、投げは全く行いませんでした。体捌きのみをひたすら行いました。1日目は入り身と転換を片手取りで行った後、交叉取りでも稽古しました。2日目の前半は入り身投げの体捌き(斜め後ろへ入り身するまでの体捌き)を片手取りと交叉取りで、後半は回転投げに到るための体捌きを片手取りと交叉取りで稽古しました。

受けの場合、女性と稽古するときは、柔らかくではあるが、しっかり握って(接点が離れないように持ち)、男性と稽古するときは、かなり抵抗をかけて抑えるような形で手を握りました。

取りの場合、ガッチリ押さえつけられると、中々斬り上げ動作が上手くいかないものです。腕が肘の箇所で折れないように心がけ、お腹の真ん前(正中線)で斬り上げ動作を行うようにすると、上手く上がりました。

関連ブログ記事:腕の円相と、撫でる動作の重要性

ともすれば、力比べのような状況に陥りますが、腕だけで上げようとせず全身(特にお腹=丹田や腰)を使って上げようとすると上がりやすくなります。腕に意識がいっているうちは、怪力の人に抑えられるとまず上がりません。

また、上がり始めてからの一教運動も重要です。なんと先生に教わった結果、今まで円相状に少し手前に斬り上げるようにイメージしていたのが間違いであったことが判明しました。回転投げに到る体捌きで、相手の真横で転回していないことを指摘されました。斬り上げ時の一教運動の円弧が手前過ぎて、相手の後ろ側に入り身し過ぎであることが判りました。

斬り上げ時の一教運動の円相については、なるべく最短距離で斬り上げを行う(直線ではない半径の大きい円相を描く)ように教わりました。詳細については下記を参照願います。

一教運動の軌道

体捌きのみの稽古は、投げたい人にとってはつまらない稽古かも知れません。あるいは、飽きてしまう人もいるかも知れません。普段の稽古のように、ドッタンバッタン受けを取ることも無いので、汗は殆どかきませんでした。汗をかくような稽古でないと物足りなく感じる人がいるかも知れません。

でも、こういう稽古は必要だと私は思います。普段の稽古では中々落ち着いて稽古できていない感があります。受けのとき、素早く起き上がる事を求められている合気会の合気道ではなお更、そのように成り易いのかも知れません。兎に角、回転率・投げの回数をより多く行うよう、技を早くかけようとする人が多いです。受けも早過ぎる人が多いです。未だ投げてもいないのに、勝手に受けを取る人がなんと多い事か・・・もうやだ〜(悲しい顔)

特にせっかちな性格の人は、無意識の内に受けも取りも早くなるのかも知れません。『サイクルタイムを短くするのは、工場の生産ラインだけで良いのでは・・・』なんてね!わーい(嬉しい顔)

私的には、早く技をかけようとすると、体捌きが疎かになったり、いい加減で雑な状況に成り易いのです。初心者のときに教わったようにゆっくり技を行い、相手が崩れているかしっかり確認を行いながら技を行いたいのです。

人のせいにしてはいけませんが、普段の稽古でも『もう少し落ち着いて稽古したいなぁ』と思う今日この頃です。ただ、回転率や早いサイクルを求めるのも稽古の考え方だろうと思いますので、そういう人に合わせるのもまた合気道の稽古なのでしょう。本稽古が終わった後の自主稽古で、体捌きのみの稽古をジックリ行おうと考えています。

合気道を稽古する上で、ともすれば格好良く見える投げばかりに目がいってしまいがちですが、そこに到るまでの過程(崩し)が大切なことを、改めて学んで来ました。良い先生に巡り合い、今回は合気道の基本を再確認しつつ、貴重な稽古をさせていただき感謝しております。また機会がありましたら稽古させていただきたいです。

関連ブログ記事:受け重視?取り重視? 技はかけるのではない、有効な体捌きの結果生れる!


読んでいただき、ありがとうございます。

合気道ブログで日々の稽古を考える。

紹介:札幌で合気道するときは・・・札幌合気道会について
合気道ブログ|稽古日記 posted by Aiki_Master at 23:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 稽古 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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