足捌きに重点を置いて考察してみました。
関連ブログ記事 :
『精度の高い体捌きを目指す4(四つの体捌き)』の
続編的記事になります。
入り身や転回などを複合的に組み合わせた体捌きを含め、
受けからの正面打ち、突きに対応する捌き方は、以下
六種類あります(下図参照)。
以下、「技例」における合気道技は、突き・正面打ち以外
の攻撃方法から始まる技も、該当するものを含めて
掲載しました。
[1]直進の入り身(前進)・・・Straight, Forward
前方へ直線的に入り身する。
技例:突きの入り身(直進型), 天地投げ(直進型),
一教系(表)、各種隅落とし(正面打ち、片手取り)、
横面打ち五教(表・裏 短刀取り)の最初の捌き、
横面打ち四方投げ(裏)の直進入り身型、
横面打ち入り身投げ直進入り身型 他
[2]直進+転回 同時の入り身
前方へ直線的に一足で入り身しながら、同時転回する。
体捌き完了時は、自身の向きが180度変わっており、
相手(受け)と同じ方向を見ている状態となる(半身も
同じ向き)。一気に捌く。
技例:
正面打ち入り身、突き入り身(斬り下げ・直進転回型)、
片手取り・交叉取り入り身投げ(斬り上げ、斬り下げ型)、
横面打ち入り身投げ(斬り上げ、斬り下げ型)の横面打ちを
捌いた後の側面への入り身 他
▼正面打ちからの入り身(直進入り身+同時転回)
[3]内回転の捌き
内回転投げのときの捌き方。通称『暖簾(のれん)くぐり』。
体捌き完了後は、受けと対照的(半身が逆)に並ぶ。
180°転回。
☆片手取りの捌きと比較できるように、a型に片手取り、
b型に突き・正面打ちからの捌きとして記載しました。
[a型]:2足の歩み足で入り身して、受けと反対側へ
転回する。回転投げはこちらの捌き方に該当する。
技例: 各種内回転投げ(正面打ち、突き、片手取り)
[b型]:一足で素早く入り身して、受けと反対側へ
転回する。回転投げ以外の突きや正面打ちに対する捌きは
こちらの型が該当する。
技例: 突きの立ち技呼吸法
この技は、素早く受けの側面を移動する必要がある為、
前足と後ろ足の前後関係を入れ替えながら一足で素早く
入り身する(半身が反対になる)。
▼内回転投げの体捌き(片手取り)
[4]外回転の捌き(外転換)・・・Outside
入り身と同時に転換する。外回転投げや各種裏の技で
外転換する。体捌き完了後は、受けと対照的(半身が逆)に
並ぶ。
技例:
各種外回転投げ(正面打ち、突き、片手取り)、
一教系(裏)、両手取り天地投げ(転換型)、
外転換で誘導してから入り身する各種技
(各種隅落とし、各種回転投げ)、各種小手返し
(正面打ち、突き、片手取り、横面打ち)、
立技呼吸法(裏)、各種入り身投げでの転換、
各種四方投げ(裏)他
[5]転身・・・Inside
前足を入れ替えて、斜め後ろへ引く体捌き。
※横面打ちからの転身の場合よりも円みが少ない捌き。円く捌くと、
円く引いた方へ相手の当身(突きや正面打ち)が追っかけて来る。
技例:
横面打ち各種技の最初の捌き(四方投げ(表)、入り身投げ
(斬り上げ・斬り下げ型)、小手返し、一教系(表・裏))、
突きの一教系、突き入り身(斬り上げ型)、肩取り一教系、
片手取り一教系、片手・両手取り四方投げの転身から始める
捌き、交叉取り・両手取り一教系の最初の捌き、
転身で誘導してから捌く各種(逆手の)天秤投げ 他
[6]後退の入り身・・・Backward
(1)転回足を使う場合
後退(受けの通過する道を空ける為、僅か斜め後ろ)して、
転回足で腰を回転させて投げる。
技例:
片手取りで手首・肘を極め転回して後方へ投げる呼吸投げ、
両手取りから転回して後方へ投げる呼吸投げ(多人数掛け
でよく使われる技)。※実際はスピードが速い為、転身しながら
捌く場合が多い。
突きの呼吸投げ ※後退しながら誘導し、手捌きは3回ほど僅かに
上下動させる。1・2・3で投げる。
(2)転回足を使わない場合(後退のみ)
後退(受けの通過する道を空ける為、僅か斜め後ろ)して、
投げる。
技例:
両手取り、幽霊の手⇒万歳して上げ下げし投げる呼吸投げ。
※アイコン画像は全て、道友Aiki_Ageさんから提供して頂いたものです。
☆これら6つの足捌きの他に、実は内転換(内側に外転換)する
体捌きもあります。※第7の足捌き。
内側に着座しながら転回足で投げる技もあります。
※第8の足捌き。
技例:正面打ち一教投げ、横面打ち順手の天秤投げ など
しかし、以前のブログ記事同様、静止状態から行う捌きでは
ないため、今回のブログ記事からは外しております。
動きの中で受けを崩しながら捌く体捌きであるからです。
※上記[5]の転身から内転換(内側へ外転換)へ移行する捌きも多い。
関連ブログ記事:内転換のもう一つの解釈?
これら体捌きに、斬り上げ・斬り下げ・抜き手等の手捌きや
腰の回転、膝を動かしての重心の上げ下げ等が加わり、様々な
合気道技が成り立つわけです。
即ち、足捌きや手捌きの組み合わせが変化することによって、
色々な技が成り立っていると言えるでしょう。
基本(土台となる足捌き)を覚えれば、後は手捌きなど、
細かい部分をプラスして覚えていけば良いということに
なります。
関連ブログ記事:
入り身の目的
受け重視?取り重視? 技はかけるのではない、有効な体捌きの結果生れる!
基本は体捌き(足捌きは重要)
精度の高い体捌きを目指す1(足捌き基本要素・四種類)
精度の高い体捌きを目指す2(転換は入り身+転換)
精度の高い体捌きを目指す3(相半身と逆半身)
こういった足捌きのみの稽古を行うのも、合気道の基本に
立ち返えることが出来て良いかも知れません。ただ、動きたい
汗をかきたい人にとっては苦痛かも知れませんね。
道場以外の場所の一人稽古としてひたすら行う内容としては、
適しているでしょう。
図では、取りが右半身から開始する場合のみを描いていますが、
勿論、左半身から開始する場合も行なって、左右バランス良く
稽古することをお忘れなく!合気道の稽古にとっては重要です。
関連ブログ記事:体捌きのみの稽古
読んでいただき、ありがとうございます。
合気道ブログで日々の稽古を考える。
いろいろ教えてください
お互い精進しましょう。