2015年08月13日

内転換:巻き込み型入り身投げの足捌きは少し違う。

本日も、前回ブログ記事同様、内転換に関する内容です。
前回ブログ記事からの続編的内容となります。

結論から言いますと、同じ内転換(内側に内転換)でも、
厳密には二種類あります。

逆半身片手取りで行う、天地投げの天だけで捌く内転換と、
相半身交叉取り小手返しの足捌きは同じですが、
相半身交叉取り(巻き込み型)入り身投げの足捌き
のみ異なります。


(1)前回のおさらい---------------------------------------
以前のブログ記事にて、
相半身交叉取り(巻き込み型)入り身投げ と、
相半身交叉取り小手返し について、足捌きが
共に内転換内側に収束する転換)であると述べました。

関連ブログ記事 :
四つの体捌きの内のひとつ : 内転換

内転換は、逆半身片手取りで行う、四つの体捌きの内の
ひとつです。合気道技の基本となる体捌きの内のひとつ
です。逆半身片手取りでは、天地投げの天で投げる捌き
方となります。

関連ブログ記事 :
精度の高い体捌きを目指す4(四つの体捌き)


(2)足捌きの違い---------------------------------------
足捌きに関して厳密には、交叉取りの巻き込み型
入り身投げの場合だけ、他の二者よりも軌道が円く、
体の方向と半身の向きが異なっています

※他の二者:相半身交叉取り小手返し、逆半身片手取り(天地投げの)天

文章のみでは、分かり難いかと思います。
下の図を参照してください。

  小手返しと天地投げの天における足捌き

  巻き込み型入り身投げの足捌き

交叉取りの巻き込み型入り身投げだけ、転換円が円く、
他の二つ(交叉取り小手返しと逆半身の天地投げの天)は、
直線的かつ鋭角的な軌道の捌き方となります。

※上記で、直線的と表現していますが、巻き込み型入り身投げに
  比べ直線的という意味です。円みは少ないが円状に捌くことに
  変わりは、ありません。


鋭角的というのは、転回足と同じように急激に180度向きが
  変更されている状況の表現です。


直線的かつ鋭角的な軌道とは・・・分かりやすく言うと
楕円形状の軌道です。所謂、潰れた円です。

加えて、半身の運用も変わってきます。

交叉取りの入り身投げ(巻き込み)は、90度方向に体(たい)
の向きが変わりますが、半身が入れ替わらず、同じ向きの半身
となります。

(体捌き前が右半身なら、体捌き後も右半身、
 体捌き前が左半身なら、体捌き後も左半身)
巻き込みの内転換後、ほんの少し前進の入り身を行うのが
ポイント
です。

交叉取り小手返し逆半身片手取り(天地投げの)天では、
180度方向に体の向きが変わり、半身が入れ替わります。
(体捌き前が右半身なら、体捌き後は左半身、
 体捌き前が左半身なら、体捌き後は右半身)
小手返しでは内転換後、大きく前進の入り身を行います。
あるいは、受けとの間合い等、状況によっては、内転換後、
前進せず、後退気味に体を開いて崩す場合もあります。
(※後ろ足を軸に、前足を円く引いて体を開く)

※交叉取り小手返しや逆半身片手取り(天地投げの)天の場合、
  丁度、直線状に入り身しながら転回足で180度
  反対方向へ向くのと結果的には同じです。しかし、
  直線状の入り身ではなく、円く捌いて180度
  向きが変更される体捌きです。直線状に入り身を
  行うと、「」の手捌きにおいて、受けの腕が
  肘の箇所で屈曲した状態となるでしょう(下図)。
  以前の記事で、藤田師範が『これダメ』と発言した
  事を示した内容です。足捌きと手捌きを共に円く
  連動させないと上手く相手を導けない
ということです。

  天の形の良い例と悪い例

関連ブログ記事:
四つの体捌きの内のひとつ : 内転換 > (3)手捌きにおける注意点


(3)手捌きに関して---------------------------------------
逆半身片手取りでの内転換では、手捌きが天地投げの
天だけで投げるように、中段⇒上段への捌きとなります
(上図「天の形の良い例」参照方)。

対して、相半身交叉取りでの手捌きは、小手返しでは
中段での捌きとなります。
巻き込み型入り身投げでは、中段⇒上段への捌きとなります。

足捌きが同じで、手捌きでは、片手取りと交叉取りの
持ち方または技により違いが生じているということになります。


(4)まとめ----------------------------------------------------
相半身交叉取り(巻き込み型)入り身投げの場合だけ、
足捌きが異なってきます。

冒頭の繰り返しになりますが、同じ内転換(内側に内転換)
でも、厳密には二種類あるということです。

合気道の基本は体捌きです。
表側の体捌きも、しっかり稽古していきましょう。


読んでいただき、ありがとうございます。

合気道ブログで日々の稽古を考える。

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