フルコンタクト空手発祥流派、極真空手の大山倍達(おおやまますたつ)
師範の弟子である芦原英幸氏が極真会から分派・創立した芦原会館
の空手です。相手の攻撃を受け流し、側面や背後から反撃を行う
『サバキ』(捌き)が取り入れられています。
※フルコンタクト空手:寸止め無しのスタイルの空手。直接打撃制
ルールを採用した組手試合や稽古方法を行います。
空手の達人、大山倍達(おおやまますたつ)師範が創立した極真会が
元祖です。元々の空手(沖縄伝統空手 : 剛柔流など)は、危険防止を
考え、試合でも寸止めを当たり前としていました。
芦原空手は、技法も理念も少林寺拳法から大きく影響を受けている
と言われています。少林寺拳法の「怪我をさせない稽古」、「地域社会
に根差した道場の普及」という考え方に大きく感銘させられたそうです。
『体力ある若者だけが続ける空手ではダメだ』と考えるようになり、
後に組手試合を否定し、「捌き」を発展させた背景となったそうです。
団体名は新国際空手道連盟です。分派当時は極真空手と険悪な関係
であったようですが、現在は相互に尊重し認め合っているそうです。
【Youtube動画】
・Ashihara Karate Sabaki intro
http://www.youtube.com/watch?v=5nZQcWG4Guo
▲時間目盛2:12頃からサバキの解説が始まります。
・ashihara1
http://www.youtube.com/watch?v=GkPbQJLw-hM
▲時間目盛1:03頃から袴を着けて戦っている演武シーンがあります。
▲芦原空手のサバキ(2のステップ)
アウトステップで相手の右側面へ入り身します。
※1のステップはアウトステップで相手の左側面へ入り身します。
※ステップと呼ばれるサバキは1〜4まであるそうです。
▲芦原空手のサバキ(4のステップ)
左足を軸足にして、右効き足を円弧を描いてずらし(転換して)、
相手の左側面へ入り身します。
※3のステップは左効き足で相手の右側面へ入り身します。
▲芦原空手:引っ掛けからステップの投げへ入るところ
捌きにより相手を崩し投げます。足を引っ掛けますが、柔道の
ように刈るのではなく足を置くことによって、引っ掛けるようです。
これとは別に、刈り倒す技法もあるそうです。回し蹴りなどの軸足
を狙って倒す場合も多いそうです。
▲芦原空手の巻き込み投げ
捌きで転換しながら、相手が下方へ崩れたところを前方へ転がします。
合気道の『回転投げ』に似ています。
空手を指導しながら警察からは、「警察逮捕術」を学んだところからも、
間接的に合気道の体捌きと共通するところがあるように思います。
なぜならば、「警察逮捕術」は昭道館合気道(富木流合気道)から
編成されたものだからです。また逆に、芦原空手は、警務科部隊で
訓練されている自衛隊逮捕術に影響を与えたそうです。
※一般部隊で訓練されている自衛隊徒手格闘術には影響を与えて
いないそうです。
※自衛隊徒手格闘術は、日本拳法の技法が採用されています。
※自衛隊逮捕術:自衛隊の警務官・警務官補が特別司法警察職員
として職務を果たすにあたり、研究された逮捕術。自衛隊徒手格闘術
との違いは、相手を傷つけずに制することを理想としており、合気道
に近い考え方を持っています。
武道流派の影響をまとめると、以下になります。
少林寺拳法→----------------------------┐
極真空手(極真会館)→------ 芦原空手(芦原会館)→ 自衛隊逮捕術
富木流合気道 → 警察逮捕術→-----┘
日本拳法 → 自衛隊徒手格闘術
芦原空手は、ベースが極真会空手でも、少林寺拳法や富木流合気道の
影響を少なからず受けているということです。
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紹介:札幌で合気道するときは・・・札幌合気道会について