2014年10月13日

体軸を確認する稽古方法

体軸、つまり身体のセンター(中心線)がブレていてはバランスを失いやすいため、安定した動作ができません。合気道だけではなく、他の武道やスポーツに関しても重要な要素です。

関連ブログ記事:センター、体軸、中心線

合気道で体捌きを行う場合、自分の軸がブレていては、相手を崩しにくいどころか、返されてしまう可能性があります{ 相手が崩れず、自分の方が崩れている( = 軸が傾いている)ため }。

普段の稽古でも、ともすれば体軸を真っ直ぐに保つことを忘れ、体軸が傾いた状態で技を行っている場合が多く見受けられます(下図はありがちな失敗例です)。

天地投げでの体軸傾き

上の図は天地投げで、地の側を意識し過ぎて、体軸が側方及び前方(斜め方向)へ傾いていることを示しています。隅落としでも同じで、下へ崩そうとする意識が先走り、体軸が傾いている場合が見受けられます。

自分も初級者のころは、常にこんな感じだったと思います。今も油断するとこのように成る可能性はあるので、軸の意識は欠かせません。

これを矯正する方法として、前へ投げようとするのではなく、自分が前へ動き体を沈みこませる(しゃがむ)ことによって、相手が下へ崩れる(落下する)という感覚を養う稽古方法を教えていただきました。

具体的には、入り身による前進と膝を着いて座る動作を行い、軸を真っ直ぐに保つという方法です(下図)。入り身が少ないから前傾し、腰が引ける・・・という症状は以前の記事にも記しました。

隅落としでの軸感覚の矯正

関連ブログ記事:
入り身不足にならない為に、腰から動く

合気道での有りがちな失敗


上記の『体を沈み込ませる』という動作は、膝を柔らかく使うという合気道の基本にも繋がっていくのかなと思います。とは言っても、私の場合は膝が固くて(膝だけでなく全身が固くて)苦労しております。もうやだ〜(悲しい顔)

合気道を稽古している年配の指導員って、年齢の割に( と言うと失礼ですが )体の柔らかい方が多いですね。柔軟体操でも、驚くほど体の可動範囲が広いです。怪我をし難い体は柔軟性からということですね。わーい(嬉しい顔)

もう一つ、ブレない軸を意識する稽古方法として、『座った状態で頭の上に本を乗せて立ち上がる』という鍛錬法があります。さらに、正座と起立を繰り返し、本を落とさないようにバランスを取ることが体軸強化につながるということです。

この稽古方法については、既にご存じの方が多いかも知れません。私も暇を見つけてこれを稽古していくつもりです。道場外での稽古として採用してみてはいかがでしょうか?

関連ブログ記事:道場は、独り稽古の成果を確認する場所


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紹介:札幌で合気道するときは・・・札幌合気道会について
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2014年02月11日

自分の脳を操る・・・効率の良い力を出すのは正しい姿勢(外旋)から

前回記事に引き続き、youtube動画についての話題です。
前回は『他人の脳を操る』というテーマで紹介しましたが
今回は『自分の脳を操る』というテーマで紹介します。

前回ブログ記事:他人の脳を操る

動画は沖縄心道流空手の師範である宇城憲治氏出演の番組です。
番組名は『探険!ホムンクルス〜脳と体のミステリー -
必殺技は視覚トリック…脳をダマせばボブ・サップに勝てる!』です。

ttp://www.youtube.com/watch?v=NRORn422zOY"
タイトルは「武術空手」です。先頭にhをつけてアクセスしてください。
正しい姿勢』に関しては、時間目盛8:00頃から開始します。

上記動画では、宇城憲治氏がムキムキのボディビルダーと立腕相撲
で対戦し、見事に捻じ伏せています。それどころか、相手側に手首を
倒した状態から(腕相撲に負けた状態から)スタートしても、逆転して
一瞬で勝っておりました。

勝てる秘密は、正しい姿勢にあるのだそうです。
全身8か所に筋肉の動きを見る測定器を当てて測定したところ、
ボディビルダーは腕の部分だけの筋肉を使っていました。
対し、宇城憲治氏は背中や胸、脚の筋肉を使っていて、腕の筋肉は
殆ど使っていないのです。全身の力を効率良く使い、筋肉ムキムキ
マッチョのボディビルダーを捻じ伏せていたのです。

全身の力を効率良く使うには、正しい姿勢がカギになっている
ということです。合気道でも活用できそう!

人間は、体の使い方を覚えるのが、小学生の頃だそうです。小学校の
時に、安定ある立ち方は『気を付け』の姿勢で、つま先を真っ直ぐ正面に
向けた立ち方だと教わった方が多いのではないでしょうか?

そのせいなのか、つま先を正面もしくは内側へ向けた立ち方は
安定性の高い立ち方だと、誤解している人が多いとのことです。
※内側へ向けた立ち方・・・つまり内股(X脚)傾向の立ち方です。
上記動画では、足底の内側に荷重をかけて踏ん張る状態を紹介して
います。この姿勢を『内旋』と呼ぶそうです。

気をつけ』の姿勢に対して『休め』の姿勢は軽い『外旋』だそうです。
足先を外側に向け、足底の外側に体重を乗せる立ち方が外旋です。
※どちらかというと、がに股(O脚)傾向でしょうか。

内旋  外旋
        ▲内旋               ▲外旋

内旋は、大変不安定で身体全体に力が入らない。反対に外旋は体の
重心が安定し、色々な運動において内旋よりも力が出せることが
分かっているそうです。

番組では、取沙汰されていないのですが、合気道や他のいろいろな
武道の先生で、足底の外側かつ踵寄りの荷重が良いと提唱する先生も
おります。つま先寄りの荷重は不安定だということのようです。

つま先の近く拇指級に体重を乗せることを小学校から中学校にかけて、
体育の授業で教わった人が多いことでしょう。しかしこれも、その先生
からすれば、思い込みや誤解であるとのことです。本州の合気道道場で
踵荷重を推奨している先生がいます(インターネット上で得た情報)。

とすると・・・以下の過去記事の『拇指級に体重を乗せる』の説は間違い
だということになります。『転換時は踵側に体重を乗せる』が正解なので
しょうか?どなたか明解な答えをお持ちの方いらっしゃいましたら、
コメントくだされば、ありがたいです。

当ブログの記事『体軸(センター)について その1』での
2.体軸(中心線)と脱力の関係」で、以下のように説明しております。
" 合気道の場合、回転動作(転換・転回・転身の体捌き)を行うとき
軸足は、親指の付け根(拇指球)に体重を乗せるのがポイント "

それと、こちらでも・・・
関連ブログ記事:半身について
合気道の体捌き『転換』を説明しています。
※上記リンク先で、上から3つめの図「180°転換の図」において、
  拇指球に重心を置くように示しております。

【斜面が舞台のスキーの場合は?】
しかし、スキーでも踵荷重を行うと、後傾にならないでしょうか?
足裏全体で雪面を捉え、ターンするときは外足の内側に体重を乗せ
(スキー板のエッジに乗り)、拇指級を中心に荷重していくのが
正解ではないかと思います。なんでもかんでも、足裏の外側かつ
踵寄りの荷重ではなく、あくまでも平坦で傾斜の無い場所での立ち方
と解釈して良いのではないでしょうか?要は地球の重力を考慮する。

後傾:足首が緩んで身体全体が後方へ傾くこと。
      後傾になるとスピードが増して制御が効かなくなる事が多い。
      スキーでは、膝を入れ、ブーツの前側に脛を当ててやや前傾
      姿勢をとることが重要です。

スキーのターンと外向傾・溜め

関連ブログ記事:体軸(センター)について その3 「スキー」の場合

宇城憲治氏は、現代に生きる武道の達人です。本当に凄い先生です。
合気道的な体捌きで突き・蹴りをかわし、効率的な力の使い方を実践
する達人です。合気道を主体とする武道の祭典『AikiExpo』に招かれ
Aikiニュースにも紹介されています。

AikiExpo:アメリカで行われた武道の祭典。
  演武会や各師範による講習会が行われたイベントです。
  合気会の合気道の他、養神館、大東流合気柔術(近藤勝之師範)、
  養正館武道、システマ(ロシア武術)、心道流空手(宇城憲治師範)
  などが参加しました。

我が道場・清田体育館の情報はこちら⇒:清田区体育館へのアクセス


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2014年02月09日

他人の脳を操る

Youtube動画サイトでこんな動画を発見しました。
沖縄心道流空手の師範である宇城憲治氏出演のTV番組でした。
番組名は『探険!ホムンクルス〜脳と体のミステリー -
必殺技は視覚トリック…脳をダマせばボブ・サップに勝てる!』です。

ttp://www.youtube.com/watch?v=NRORn422zOY"
タイトルは「武術空手」です。先頭にhをつけてアクセスしてください。

【内容】
武術の達人として紹介された、沖縄伝統空手の宇城憲治先生が
凄いことをやってしまうという企画で、その内容は本当に凄いです。

@現役プロボクサーが本気で出しているパンチに対し、ガードをして
  いないのに一発も当たらない。
A絶対に逃げられない当たりそうな距離で、プロボクサーのパンチが
  当たらない。
Bアメフト選手が全力でタックルして来ても、ピタリと止めてしまう。
Cアイドルグループ嵐の二宮君が手のひらのマグネットを取られまいと
  握ろうと構えても、取られてしまう。
D180cm、100kgの筋肉ムキムキのボディビルダーと立ったままの
  腕相撲をして一瞬で勝った。それどころか相手側に手首を倒した状態
  から(腕相撲に負けた状態から)スタートしても、逆転し一瞬で勝った。

ボクサーのパンチが当たらない』ビデオを筑波大学の心理学博士に
見てもらったところ、『達人は色々な動作をすることによって、相手の脳
の反射を操っているといえます』とのことです。

脳を操るとはどういうことか?
1.視覚の思い込み・・・ボクサーがパンチを出そうとした瞬間、宇城先生
   は一瞬頭や肩を動かしている。一瞬前に出ると見せかけ、後ろに
   下がっている。※距離の暗示・錯覚
   ボクサーの脳は達人との距離を、実際よりかなり近くに感じている。
2.アメフト選手の場合、宇城先生が一瞬前に出ようとみせかけ (距離
  感覚を麻痺させ)、タックルを止めている。※距離の暗示・錯覚
3.取ろうと素早く手を動かせば、マグネットを持った二宮君は、当然の
   如く手を握り閉めてしまう。しかし取ろうとした手を一旦停止して
   二宮君の脳を一瞬攪乱(一種のパニック状態に)させ、ゆっくりと
   手を動かせば、二宮君の手は閉じることなく、宇城先生がマグネット
   を取り上げる。一旦停止する宇城先生の手の動きが、二宮君の脳
   に対し『動かす?』or『動かさなくても良いのでは?』と攪乱させて
   いる。
  ※リフラクトリーピリオド(脳の空白期間)でのパニック状態
    ( ストループ効果)
    ストループ効果・・・赤い文字の『』のように色と文字など複数の情報で
    脳が攪乱する現象。文字で答える質問で、青なのに色で判断し赤と誤答。
   これは、右に行こうと見せかけて左、否右・・・という具合にバスケット
   ボールやサッカーなど、球技スポーツにも活かせることができます。
   フェイントですね。もちろん合気道他、武道全般にも。
4.筋肉測定器で、筋肉モリモリのボディビルダーと達人の筋力を比較
   計測しても、ボディビルダーの筋力が1.5倍であるが、宇城先生が
   一瞬で勝ってしまう。
   したがって今度は、全身8か所に筋肉の動きを見る測定器を当て
   測定すると、ボディビルダーは、ほぼ腕の筋肉だけを使っている
   のに対し、達人は背中や胸、脚の筋肉を使っており、腕の筋肉
   は殆ど使っていないことがわかったのです!
   全身の筋肉を同時にうまく使い、ボディビルダーをねじ伏せて
   いたのです!
上記1〜3は、他人の脳を操っている内容です。項目の4については、
自分の脳を操る(思い込みから解放する)内容です。こちらについては
次回の記事で詳しく記します。

他人の脳を騙す(操る)ことは、昔の兵法の極意にもあるのだとか。
まさに武術の達人がなせる技です。

宇城憲治氏は、現代に生きる武道の達人です。本当に凄い先生です。
合気道的な体捌きで突き・蹴りをかわし、効率的な力の使い方を実践
する達人です。合気道を主体とする武道の祭典『AikiExpo』に招かれ、
Aikiニュースにも紹介されています。

AikiExpo:アメリカで行われた合気系武道の祭典。
  演武会や各師範による講習会が行われたイベントです。
  合気会の合気道の他、養神館、大東流合気柔術(近藤勝之師範)、
  養正館武道、システマ(ロシア武術)、心道流空手(宇城憲治師範)
  などが参加しました。


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