2015年05月16日

精度の高い体捌きを目指す3(相半身と逆半身)

合気道は、足捌きが重要と最近特に感じております。
今回は、前回ブログ記事(下記)の続編です。

精度の高い体捌きを目指す2(転換は入り身+転換)

合気道では、半身の姿勢で構えます。
受けと取りの半身の状態の組み合わせによって、以下のパターンが
存在します。

右相半身:取りの右足と受けの右足が前に出ている。
左相半身:取りの左足と受けの左足が前に出ている。
右逆半身:取りの右足と受けの左足が前に出ている。
左逆半身:取りの左足と受けの右足が前に出ている。

要するに、向かって同じ側の足が互いに前に出ているのが逆半身
向かって互いに反対側の足が前に出ているのが相半身です。

関連ブログ記事:
精度の高い体捌きを目指す1(足捌き基本要素・四種類)』では、
全て逆半身での足捌きを図示しました。

今回記事では、相半身と逆半身両方を図示した図解を作成しました
ので掲載とします。(入り身・転換・転身)

足捌き基本要素・相半身と逆半身

相半身が逆半身と異なる点は、入り身や転換(入り身部分)にて、
歩み足で、半身の入れ替えを行っている点です。
※左半身ならば、右半身へ,右半身ならば、左半身へ入れ替えている。
逆半身では、送り足で進むため、半身の方向は変わりません。

※転回については、相半身・逆半身とも同様な形態ですので、
  前述のもの1種類のみ記載しております。

※転身については、突きや正面打ちに対する相半身・逆半身の他、
  横面打ちに対応する相半身での捌き方についても掲載しました。

横面打ちにしても、正面打ちや突きにしても、相手(受け)が
相半身で打って来ようが、逆半身で打って来ようが、どちらでも
対応できるようにすべきかと思います。

横面打ちだから、相半身・・・とか、天地投げだから逆半身・・・とか、
固定せずに考えたほうがよいでしょう。勿論、基本としては、上記の
ようになりますが。

通常は、横面打ちを相半身で打って来て捌くように稽古をして
いますが、相半身でなければならないとは限りません。

他の合気道会の方々と合同で稽古できる講習会に参加したとき、
横面打ち四方投げにて逆半身で打って来る他会の人がいました。

私は未だ当時、三級でしたので、横面打ちは相半身で稽古するものと
決めつけていたこともあり、すぐさま足を入れ替えて相半身の状態に
修正しました。すると、他会のお相手さんも、足を入れ替えて逆半身の
状態に戻してしまうのです。がく〜(落胆した顔)

えぇ〜!逆半身でやれってかい・・・』と心の中で叫んでいました。もうやだ〜(悲しい顔)

おそらく他会のお相手さんも、逆半身でしか横面打ちを稽古したことが
なかったからだと思います。

※逆半身で打って来る理由として、前に出ている側から打つ方が、早く取りに到達
  するという理由が考えられます。そうすると突きや正面打ちにしても
  同様に逆半身で打つ方が、取りに素早く攻撃を仕掛けられると言えます。


合気道会によっては、全く違った形態で稽古している場合があり得る
ということです。

相手が相半身・逆半身のどちらで打って来ようとも、問題なく捌ける
ようにしましょう。わーい(嬉しい顔)


読んでいただき、ありがとうございます。

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2015年05月15日

精度の高い体捌きを目指す2(転換は入り身+転換)

合気道は、足捌きが重要と最近特に感じております。
今回は、既に前回掲載済みのブログ記事(下記)の続編です。

関連ブログ記事:
精度の高い体捌きを目指す1(足捌き基本要素・四種類)

前回記したブログ記事では、入り身転換転身転回の四種類が
基本的な足捌きの要素であることを纏めました。

そのうちの転換ですが、 転換は単独で行う体捌きではなく、
入り身+転換(入り身後に転換)であり、必ず入り身が伴う
体捌きである
ことも簡単に述べました。
今回は、この点について詳しく書き記しておこうと思います。

転換は、相手(受け)の攻撃の仕方(突き・正面打ち・片手取り等)
に関わらず、相手(受け)からの押してくる力を受け流すための
体捌き
です。

前回ブログ記事の図では、送り足で入り身するときに、軸足を
後ろ足と平行に揃えるように描いております。
(下図は前回の図の関係個所を抜粋したもの:パターンAとします)

転換前の入り身・パターンA

しかし、これは必ずしも平行ではなく、半身の状態に置くという
考え方もあり得ます。

合気会合気道本部道場の道主による突き小手返しのお手本の如く
意識的に入り身と転換をはっきり区切って行う場合には、
@先ず相手の方を向いた半身の姿勢で入り身、次にA転換
という順番になるかと思います。(下図参照:パターンB)

転換前の入り身・パターンB

ついでに、道主のYoutube動画(埋め込み)です。
道主 ─ 植芝守央,合氣道技法教範

24:50辺りから「突き小手返し」です。
一旦、きちんと入り身してから、転換しているのが分かります。

突き小手返し・体捌きの分解要素】
突きを前手で受けながら・・・入り身 - 外転換(開く) - 外転換(開く)
  ※ここまでが投げ
- 極めるために相手(受け)の頭上周囲を移動(入り身)
- 外転換 - 立ったまま手首、もしくは、座って肩の極め

※実は、私が未だ有級者の頃、初めて合気会本部道場へ稽古に行った時、
  道主直々から、この技法を教わりました。当時は入り身してから転換という
  感覚が全く無く、転換一足で捌こうとしていたところを、道主に貴重な
  アドバイスを頂きました。わーい(嬉しい顔) 下記のパターンAのようにやっていたつもり
  ですが、上手く突きを捌けていなかったのだろうと思われます。


あるいは、スピードの速い突きや正面打ちに対して遅れないように、
また相手の突進力を有効に受け流すという考え方の下で、
瞬間的に入り身と転換を連続的に行うならば、前述のように
軸足を後ろ足と平行に置くケースもありでしょう。(下図:パターンA)
※再び同じ図:軸足を後ろ足と平行に揃える前述のパターン

※必ずしも平行(前足先が90度回転)である必要はないかと思います。
  スピードやタイミングによっては、足先の角度が45度であったり120度
  であったりする場合もあり、ケースバイケースで良いと考えています。
  平行でなければならないと固定する必要はないでしょう。
※パターンAは、入り身と転換の区切りを明確にしていない方法です。


転換前の入り身・パターンA

逆半身片手取りにて体の転換の稽古を行う場合、下図の通り、
相手に持たれる側の手を少し深めに入り身の方向へ置くことに
より、相手が押し込んで来て丁度良い位置に移動されます。
☆要するに、押し込んで来る移動距離分、少し深めの位置に手を置くということ。

転換:接点の押し出し

よく、「軸足上に手の位置を固定して転換せよ」と言われますが、
軸足側の手の位置を固定するには、入り身の時に相手から
押される力を前もって考慮しておかないと、転換後、前方へ
行き過ぎてしまいます。そうならぬように、入り身する方向
へ前もって深めに手を置くことで、丁度良い位置になる

教わりました。

但し、深めに手を置くことを意識し過ぎるあまり、手を押し込み
過ぎると、相手の押して来る力に対して反発することも起こり
得ます。※実際に私が稽古で体験し、先輩に助言されました。
相手に合せるように、力を感じ取るように」との助言です。

手を押し込むのではなく、あくまでも押して来る力を感じ取り
ながら早めに深い位置に置くということですので、お間違え
ないように稽古していきましょう。

合気道は、相手の力を感じ取って、逆らわず、寧ろ力を利用する
という感覚を養うことが理想ですね。


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2015年05月01日

人それぞれの合気道・稽古

人生には、人それぞれのペースがあるように、合気道の稽古
にも、人それぞれのペースや考え方があるかと思います。

時として、ゆっくり緩やかな稽古を望む人、また、学生さんの
ように若い人は、激しくスピードがあり、回転率の早い稽古を
望む方もいます。他に、ガッチリした体格の人や、年配者でも、
武闘派系の考えをお持ちの方は、厳しい稽古を無言でお勧めして
来る方もいらっしゃいます。がく〜(落胆した顔)

最後のパターン、「厳しい稽古」についてですが、前回ブログ記事
正面打ちについての考察』のように、ガッツリ打ち込んで来て
くれるようなタイプの方々を指します。

どうも、私は身長が高いというだけで、腕力があるかのように
錯覚されるみたいです。身長が高い=デカイ=力がある と
誤認識されているようです。もうやだ〜(悲しい顔)

腕力なんて、大して無いんですけどね。身長あっても痩せて
いるし、筋トレが必要だと常々思っているくらいですから。

※合気道に筋トレは不要などと思っていてはいけません。確かに力を
  抜くことを説かれますが、筋力は無いよりもあった方が断然有利です。どんな
  スポーツや、武道にも。植芝盛平 合気道開祖や大東流中興の祖 武田惣角は、
  物凄い怪力だったとか。筋力の無い者が技術で筋力のある者を倒すにしても、
  同じ技術の者同士でも筋力があった方が有利です。怪力が技術で正中線上に
  効率よく力を集めたならば、鬼に金棒と言ったところでしょう。


他は、体格のデカさ以外に、如何にも堅そうな身体が、崩しがい
のある稽古対象として見られるのでしょうか。『崩すのに苦労する
対象のほうが、俄然やりがいを感じる
』とか・・・。ふらふら

先日、体格の良い方と稽古したときも、私に対して俄然ファイトが
湧いて来るのか、渾身の力で小手返しをかけられました。
私の手首はかなり悲鳴を上げていました。
これ以上、同じように扱われると、手首を壊しかねない為、
最終的に、少しペースを緩めてもらうように、お願はしました
けどね。(汗

素早くパワフルに技をかけてくる人に対しては、それに合わせて
受けも早めに取らなければ、身体にかかる負荷が大きくなり、
手首などの部位を痛めてしまう恐れがあります。

それと、相手(取り)の投げようとする軌跡の方向をある程度、
感じとりながら受け身を取らなくてはいけない。受けの方向を
間違えると、これも余計な圧力がかかり、痛める原因にも成り
かねません(勝手な受け身の悪い例)。※しかし、スピードと力
が半端じゃないので、方向を感じ取ってからでは、手遅れな場合
が殆どです。

渾身の力で投げられた場合に対処し得るだけの受け身の技術力、
未だ未だだなぁ・・・と痛感させられた次第です。

最終的には、どんな投げに対しても、身体を痛めずに済む
受け身の技術力が望まれるところではありますが・・・。
もう年も若くないし、無理な話なのかもしれない・・・。もうやだ〜(悲しい顔)

痛めるのが嫌だからと、受け身が早過ぎてしまうのも、
相手(取り)には、失礼に当たるでしょうし、
反対に受けが遅すぎると、先ほどのように、身体にかかる負荷が
大き過ぎて、場合よっては、怪我に発展します。

※初級者の頃、キツイ投げが怖いからと早めに逃げるような受けを
  取っていたら注意されたこともありました。やはり「逃げるのは良くない
  ということです。心象悪く捉えられますので、気をつけましょう。
  「怖がる前に肝の座った度胸と、確実な受け身の技術を」ということか。
  デカいくせして怖がっていたのが良くなかったのです。


合気道って、受け身に関してもホント難しいですね。
氣を合わせる』って、丁度良く接点に圧がかかっている状態
なんですね。受けが早過ぎても、遅すぎてもいけない。


関連ブログ記事:
技のタイミングと点火タイミング / 合気道と自動車工学


あとは、関節の固さに関しては、配慮願うしかないと思います。
これだけは、改善のしようがないです。

関節の柔らかい人と同じように極められたら、怪我をします。

正面打ちや横面打ちで、油断する暇なくガッツリ打って来る
とか、緊張感ある稽古、厳しい稽古を望む人には、それ相応に
こちらも失礼なきように対応していこうと、最近考え方を
改めました。所謂、武闘派系の考え方の人との稽古です。
痛いの上等!』っていう考え方など。

※武闘派系の考え方の人は、空手出身者や大東流出身者などに多いですね。

自分に『喝!』を入れていきます。
甘えている場合ではない。

以前は、『勘弁してくれ〜〜〜』って思っていましたから(^^;
今まで甘え過ぎていたことを反省します。

ただし、関節だけは勘弁してもらいます(固さはどうしようもない)。
甘える・甘えないの問題の範疇を超えています(笑)。

稽古相手のペースに合わせますが、
相手のペースに巻き込まれ過ぎないように、かつ
自分で制御出来得る範囲内で、厳しく緊張感持って真剣にかつ
楽しく稽古したいところです。

厳しく楽しく』っていうところが相反するようで難しい。ふらふら

ただし、他人にも厳しさを求めるような稽古はしない
つもりでいます。

女性に対して、ガッツリ打ち込むことは、もちろん無しです。
男性でもゆっくり稽古したい方には、それ相応に合せていく
つもりです。逆に、技をゆっくり丁寧に行い、確認できる良い
機会です。

おそらく、先の武闘派系の考え方で稽古される方々も、女性等
との稽古では、加減していると思います。手加減やコントロール
することもまた、合気道の稽古で必要不可欠な技術です。


関連ブログ記事:
合気道の稽古で、手加減することは失礼なことか?


武闘派系・・・『武道は厳しくて当然!気を引き締めろ!』とか、
男なんだから、痛いなどと、甘ったれるな!』等の考え方で
臨まれる方にも、合せて稽古できるように努力するつもりです。

合気道が『愛の武道』などとばかり、言ってはいられないって
いうことです。

ただし、『相手に怪我をさせない』、『自分も怪我をしない
というところは、最低限のボーダーラインです。

怪我をしたら、合気道できなくなりますから。
場合によっては、仕事や生活にも支障が出ますからね。

気をつけて、厳しく真剣に、楽しく愉快に、稽古しましょう。


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